結論
- ドメインを登録すると、登録情報の一部がWHOIS/RDAPという仕組みで誰でも検索できるようになります。自宅で開業していて、登録者の住所が自宅の場合は、申し込みの前に「何が表示されるか」を確かめます。
- 表示の決まりは、ドメインの種類(.com などのgTLDか、.jp か)で違います。事業者を選ぶ前に、まず種類ごとの決まりを知っておくと、確認する点がはっきりします。
- どの事業者でも確認する点は同じです。①代理公開(または非表示)が選べるか、②申し込みと同時に設定できるか、③登録後に自分で検索して表示を確かめる、の3つです。
この記事は特定の事業者の優劣は扱いません。確認する項目だけを整理します。
1. WHOIS/RDAPとは
- どちらも、ドメインの登録情報(登録者、登録事業者、ネームサーバー、登録日、有効期限など)を問い合わせる仕組みです。
- gTLDでは、WHOISに代わる仕組みとしてRDAPの提供が事業者に義務づけられ、従来のWHOISでの提供義務の一部は2025年1月28日に終了しました(ICANNの2023年の契約改定)。検索する側から見ると、「登録情報を検索できる」点は変わりません。
- gTLDの登録情報は、ICANNの検索ページ(lookup.icann.org)で調べられます。.jp はJPRSのWHOIS(whois.jprs.jp)で調べられます。
2. gTLD(.com / .net など)で表示されるもの
gTLDの表示は、ICANNの Registration Data Policy(2025年8月21日から適用。2026年5月12日に一部改定)で決まっています。
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 登録者の名前・住所・電話・メールアドレス | 公開項目として定められている一方で、法令上必要な場合などに事業者が**非表示(redact)**にできる。非表示にしたとき、事業者は連絡用のメールアドレスかフォームへのリンクを代わりに示す(9.2節) |
| 代理公開(プライバシー/プロキシ)サービスを使った場合 | 登録者本人ではなく、そのサービスの情報が表示される(9.2.5節) |
| ネームサーバー、登録日、有効期限、登録事業者、ドメインの状態 | 表示される |
実際に何が非表示になるかは、事業者と登録者の所在地で変わります。「初めから非表示になる」と決めてかからず、3節の代理公開を選べるかを確認し、登録後に自分で検索して確かめます。
3. 代理公開の仕組み
ICANNは、2種類のサービスを次のように説明しています。
| 種類 | 仕組み |
|---|---|
| プライバシーサービス | 登録者は本人のまま。連絡先(住所など)だけを、転送先などの別の有効な連絡先に置き換えて表示する |
| プロキシサービス | サービスの提供者が名義上の登録者になり、その名前と連絡先が表示される。利用者は提供者との契約でドメインを使う |
国内の事業者が「WHOIS情報公開代行」などの名前で提供しているものが、これにあたります。確認しておく点は次のとおりです。
- 名義がどうなるか(利用規約で、ドメインを使う権利が自分にあることを確かめる)
- 申し込みと同時に設定できるか、後から設定できるか
- ドメインを他の事業者へ移管するときに、解除が必要か
4. .jp の場合
.jp はJPRSが管理しており、種類によって登録できる人と表示される項目が違います。
| 種類 | 例 | 登録できる人 | 数 |
|---|---|---|---|
| 汎用JP | example.jp | 日本国内に住所のある個人・組織 | 制限なし |
| 都道府県型JP | example.tokyo.jp | 同上 | 制限なし |
| 属性型JP | example.co.jp(会社)、example.or.jp(法人など) | 種類ごとに決まった組織。co.jp は日本で登記した会社 | 原則1組織1つ |
個人事業主が登録できるのは、汎用JPと都道府県型JPです。co.jp は会社を登記してから登録できます。
WHOISで公開される項目(JPRS「公開・開示対象情報一覧」)
| 種類 | 公開される主な項目 |
|---|---|
| 汎用JP・都道府県型JP | ドメイン名、登録者名、ネームサーバー、登録日、有効期限、状態、公開連絡窓口の情報(住所・電話番号・メールアドレスを含む) |
| 属性型JP・地域型JP | 組織名、組織の種別、ネームサーバー、登録日、状態、担当者の情報など |
- 公開連絡窓口は、運用上のトラブルのときの連絡先として、登録者の情報の代わりに公開される連絡先です。多くの指定事業者は、ここに事業者の連絡先を表示する「代理公開」を用意しています。用意があるか、標準で有効かは事業者ごとに確かめます。
- 汎用JPでは、公開連絡窓口を代理公開にしても、登録者名は表示されます。個人名で登録すると、氏名が検索で見える状態になります。
- JPRSには、汎用JPと都道府県型JPを対象に、登録者名を別の表示に置き換える「Whois登録者情報非表示設定」があります。登録者に表示したくない明確な理由がある場合に、指定事業者を通じて申し込みます。取り扱いの有無は事業者に確認します。
- 公開されない項目も、JPRSの定める手続きによる開示請求の対象にはなります。
5. 自宅住所が出るのは、WHOISだけではない
ドメインの登録情報を非表示にしても、サイト上に住所を載せる必要がある場合は別に検討が要ります。ネットで販売をする場合の表示義務などは、この記事では扱いません。消費者庁などの公式の案内を確認してください。
6. 申し込み前の確認表
| # | 確認すること | gTLD | .jp |
|---|---|---|---|
| 1 | 登録者として入力する名前と住所を決めた(個人名か、屋号・法人名が使えるか) | □ | □ |
| 2 | 代理公開(gTLD)/公開連絡窓口の代理公開(.jp)を選べるか、公式ヘルプで確かめた | □ | □ |
| 3 | 申し込みと同時に設定できるか。後からの設定だと、それまでの間は表示される | □ | □ |
| 4 | 汎用JPで登録者名を出したくない場合、非表示設定を取り扱っているか | ― | □ |
| 5 | 代理公開中の名義と、利用規約での自分の権利を読んだ | □ | ― |
| 6 | 移管のときに代理公開の解除が必要かを確かめた | □ | □ |
| 7 | 事業者からの通知を受け取るメールアドレスを、長く使えるものにした | □ | □ |
| 8 | 管理画面に2要素認証を設定できるか | □ | □ |
| 9 | 登録後、自分で検索して表示を確かめた(lookup.icann.org / whois.jprs.jp) | □ | □ |
→ パスワード管理と2要素認証の進め方 → サーバ・ドメイン・メールの引っ越し全体図
補足: gTLDとccTLDの区別
.com や .net のようなgTLDはICANNの方針に沿って運用され、.jp のような国別のドメイン(ccTLD)は、それぞれの管理組織(.jp はJPRS)が決まりを定めています。どのTLDがどちらにあたるかは、IANAの Root Zone Database で確認できます。.jp 以外のccTLDを使う場合は、その管理組織の決まりを確かめてください。
出典(取得日: 2026-09-20)
- ICANN Registration Data Policy https://www.icann.org/resources/pages/registration-data-policy-2024-02-21-en
- ICANN 2023 Global Amendments(RDAPへの移行) https://www.icann.org/resources/pages/global-amendment-2023-en
- ICANN Privacy and Proxy Registrations https://www.icann.org/resources/pages/privacy-proxy-registration-2013-03-22-en
- JPRS「JPドメイン名登録情報等の公開・開示対象情報一覧」 https://jprs.jp/doc/rule/disclose-list.html
- JPRS「Whois登録者情報非表示設定」 https://jprs.jp/about/dom-rule/whois-concealment/
- JPRS用語辞典「公開連絡窓口情報」 https://jprs.jp/glossary/index.php?ID=0072
- JPRS「JPドメイン名の種類」 https://jprs.jp/about/jp-dom/spec/
- IANA Root Zone Database https://www.iana.org/domains/root/db