小さな事業のIT手帖

提案・見積もりの確認

「セキュリティの箱(UTM)」をリースで勧められた。パソコン数台の会社に要るかは、社内の中身で決まる

  1. UTM(ネットの入口に置くセキュリティの箱)が要るかは、脅し文句でなく社内の中身で決まる
  2. 社内にファイルを置く機械も、外から社内につなぐ仕組みも無ければ、私なら入れない
  3. 今日、営業に「うちで何が起き、提案で何が良くなるか」を書面で頼む。届くまで申し込まない

公開 更新 読了5分

アンテナの付いた白いネットの箱の背面。青いケーブルがつながっている
写真: Compare Fibre(Unsplash)

今の回線や電話機を入れてくれた業者が来て、「セキュリティの箱を入れませんか」と言う。「FAXや複合機から侵入される」「このままだと、ほかの会社への攻撃に使われる」。パソコンは数台しかない。要るのかどうか、社長にも総務にも分からない。

この記事で出来ること
社内に守る物があるかを5つの目安で見て、入れるか入れないかを理由つきで決め、営業に「うちで何が起き、提案で何が良くなるか」を書面で聞ける
前提
専門知識は不要。業者の提案(無ければ言われた内容のメモ)と、社内のパソコンの台数が分かれば足ります
今日の一歩
文面を送るのは今日。測った時間ではありません
目次(4)
  1. 放っておくと、要らない箱に何年も払い続ける
  2. 私ならこうする: 入口の内側に守る物が無ければ、入れない
  3. 確かめ方: ①の答えが、うちの使い方に即しているか
  4. 業者に送る確認文: 箱が守れる範囲と、ライセンスが切れたとき(担当者・業者と話すとき用)

放っておくと、要らない箱に何年も払い続ける

実際の相談の例です(相談サイトに本人が書いたもの。2021年6月、出典欄)。

  • 大手の通信会社の特約店から、月1.5万円・7年のリースを勧められた。7年で126万円になる

リースは途中でやめられないのが原則で、やめるときは残りを一括で払います(リース事業協会の説明)。怖い話で決めると、人数や使い方が変わっても払い続けます。

私ならこうする: 入口の内側に守る物が無ければ、入れない

箱が見張るのは、事務所のネットの入口を通る通信です。だから私は、台数より入口の内側に守る物があるかで決めます。次の5つは私の判断の目安です(技術の決まりではない)。どれかに当たれば入れる価値があります。

  • 社内に、みんなのファイルを置く機械(NAS、ファイルサーバ)がある
  • 外から社内のネットに入る仕組み(VPN)を使っている
  • 外から事務所のパソコンや防犯カメラに直接入れるよう、ルーターの設定を変えてある(アプリやクラウド越しに見ているだけなら当たらない)
  • 取引先から、契約の条件として入口の対策を求められている
  • パソコンが多く(私の目安は20台超)、全部で更新とウイルス対策が動いているかを誰も確かめられない

数台の会社は上の4つで決めます。どれにも当たらなければ、私なら入れません。事務所での閲覧を危ないサイトから守る機能は箱にありますが、社外で使うパソコンは見張れません。同じお金なら先に固めるのは3つです。全部のパソコンでウイルス対策と更新が動いているかを確かめて止めない、2段階認証を付ける、ファイルの控えを別の場所に取る。

入れる場合も、7年のような長いリースは勧めません。箱を買って中身(ライセンス)を年ごとに更新すれば、次の年から止められます(止めたら何が止まるかは機種と契約で違うので先に聞く)。

その場では申し込まず、書面でこれだけ聞きます。

文面(箱を勧めてきた業者へ。メールか書面で) 「ご提案の件、社内で比べてから決めます。次を御社名の入った書面かメールでください。①弊社で何が起き得るか、今の対策の何が足りないか、ご提案で何が良くなるか ②リース会社の名前、リースの年数・月額・総額と、途中でやめた場合に払う額 ③箱の中身(ライセンス)の年数と更新料、切れたら何が止まり何が続くか ④買い取る場合の代金。書面をいただく前に、お申し込みはしません。」

確かめ方: ①の答えが、うちの使い方に即しているか

①の3つが、うちの機械や使い方に即して書かれていれば中身のある提案です。一般論だけなら、うちを見た提案ではありません。

勧めてきた相手が今の契約先か分からないときは、電話口で聞く3つで確かめます。

業者に送る確認文: 箱が守れる範囲と、ライセンスが切れたとき(担当者・業者と話すとき用)

  • 5つの条件と「20台」は筆者の判断の目安で、メーカーや公的な基準ではありません。1〜3は「入口の内側に、外から狙われる物がある」、4は契約上の求め、5は「パソコンを1台ずつ見られないなら入口でまとめて見る」という理由で選んでいます
  • 箱が見張るのは、事務所の回線を通る通信です。多くの機種には、社内のパソコンからのWebの閲覧をサイトの種類で絞る機能(Webフィルタ)があり、事務所の中の閲覧はここで守れます(Fortinet の Web and DNS Filtering、WatchGuard の WebBlocker など)。社外で使うパソコンの通信は、この通り道の外です
  • ライセンスが切れたときの動きは、製品とライセンスで違います(各社の公式。取得日は出典欄)
    • Fortinet(FortiGate): ファイアウォールとしては動き続け、ウイルス検査とIPSは更新の止まった古い定義のまま続く。カテゴリによるWeb・DNSの絞り込みは止まる
    • WatchGuard(Firebox): セキュリティのサービスは切れるとそのサービスが動かなくなり、WebBlocker は既定で全サイトへの接続を拒否する。サポートが切れるとOSの更新ができなくなるが、VPN などほかの機能は動き続ける
    • Sophos(Sophos Firewall): ライセンスごとに止まる機能が違う。基本のファイアウォールのライセンスが切れると、ファイアウォールのルールが処理されず、IPsec VPN はつながったままでも通信が通らない
  • だから「切れたら防御がなくなる」とも「切れても大丈夫」とも一般化できません。機種・契約、失効する機能と続く機能を、販売店に書面で確かめます

出典(取得日 2026-09-22)

この記事は特定の製品の使用レビューではありません。公式仕様と公的情報をもとに整理しています。 ・仕様の取得日

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